臨床研究とは

●臨床研究とは
「臨床研究」とは、人を対象として用いて、疾病の予防方法、診断方法及び治療方法の改善、疾病原因及び病態の理解並びに患者の生活の質の向上を目的として実施される医学研究のことです。「臨床研究」には人由来の細胞や組織等を使った研究も含まれますが、人の集団を用いて行う場合を特に「臨床疫学研究」と呼びます。 臨床疫学研究により、医療の質の向上に必要な科学的根拠(エビデンス)が作られ、そのエビデンスの強さは研究の質によって左右されます。従って、十分に検討された研究計画に基づき、適切な研究を実施することが必要になります。
●治験とは
臨床疫学研究の中で、対象集団を複数の群に分け、それぞれの群に異なった予防法、診断、治療等を与え、比較する研究のことを、特に「臨床試験」と呼びます。臨床試験のうち、薬剤や医療機器として承認されるために有効性や安全性を確かめるためのものを、特に「治験」と呼びます。
●臨床研究の現状と展開
わが国の医科系大学においては伝統的に基礎研究を重視する傾向があり、臨床研究は盛んに行なわれてはいませんでした。これは基礎医学系の一流学術誌であるネイチャーやサイエンスにおいて日本人研究者の掲載数が世界でもトップクラスであるのに対し、臨床医学系の一流誌であるニューイングランドジャーナルやランセットへの掲載数は極めて少ないという結果に表れています。
このように、これまでアカデミアにおいて臨床研究を実施する土壌がなかったということも手伝い、ほとんどの治験は企業が主導して行なわれてきました。しかしながら、このような企業主導型の治験では非効率になる傾向が見受けられます。その結果、わが国では治験の実施の遅れにより、欧米で既に承認済みの医薬品が使用できるようになるまでに数年かかる「ドラッグラグ」といわれる不具合を生じています。
このような現状を打破するための国を挙げての試みが数年前より始まり、現在少しずつ改善されつつあります。J-NECTARは、治験や臨床研究の実施基盤開発の試みの一つで、文部科学省による臨床研究支援人材育成のための研究助成により発足したものです。
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